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西垂水!紺の法被が風を切る!(垂水海神社秋祭り2011)

今年も垂水っ子が燃え上がる海神社秋祭りの時期となった。

10月10日~12日の3日間、町はお祭り一色になります。

我が故郷である西垂水、古くは明石郡垂水郷西垂水村、古老達は今も「うちの村は・・・」と云う。

海岸線は埋め立てられ、あの白砂青松は消えて西神戸の拠点漁港とアウトレットモールへと、その姿を変えてしまいました。

背後に広がっていた緑豊かな丘陵地は一大ベッドタウンと化し、昔の面影をそこに求めることは出来ない。この町で育ち学び遊んだ仲間も各地へ散って行き、残っている友も少なくなった。

布団太鼓の太鼓と鐘の音を聞き、海辺で育った私は秋祭りには赴任地から必ず帰省していました。盆正月に帰らなくても祭りには帰って来たものです。

Pa120001 さァ、今からが祭りのクライマックスである宮入りだ。青年団長から若者達に激が飛びます。

「ラグビーの試合直前のロッカールームを思い出すなァ」

いつしか皆の顔は紅潮し眼の輝きが増しました。

「さァ、行くでーっ」

気合が入りました。

Pa110064 ここで布団太鼓の構造を少し説明しましょう。布団太鼓は屋台部分と台車に分かれています。移動や豪快に疾走する時には屋台部分は台車にがっちりとターンバックルで固定されています。

ブレーキを吊っているロープの結び方も船のモヤイ結びで、いかにも海の祭りらしいですね。

Pa110039 台車は木製で、とても頑丈に造られており、鋼鉄の車輪がガッチリと埋め込まれています。

泉州の地車(だんじり)は屋台に車輪が固定されており、綱を大勢で引いて走り、担いだり差し上げたりしません。

布団太鼓は綱で引くのではなく、担き手自身が推進力です。

猛スピードで走った後、担いで練りをする。垂水の布団太鼓の特徴でしょうね(走る!担ぐ!と、これを3日間だから、それはもう大変なんです)

地車(だんじり)と布団太鼓の違いが解かりましたか?

播州の布団太鼓や屋台(やっさ)はこんな頑丈な台車は使っていないようです。垂水のように激走はせず、ゆっくりと練り場に移動するのでしょうね。

Pa110046 前後に各2名のブレーキ係が配置されています。ブレーキは木製のウェッジを台車の下に入れてスピードを調整します。ここが太鼓運行の心臓部です。

Pa110041 前後進する太鼓に乗り、笹を振り、声を涸らして叱咤激励する追い子と息を合わせて動きを制御し、直角やS字カーブを走り抜けて行きます。

華麗な布団太鼓も陰の見えない場所で熟練した技を見せる裏方と担ぎ手とのチームワークで成り立っているんです。

Pa120003 紺の法被が風を切る!大鳥居へ鋭く突っ込んでいく。

Pa120014 「行け!行け!心臓が破裂するまで突っ走れ!走れ!」

Pa110022 轍がくっきりと残っています。

太鼓や鐘のリズムが早くなり、それに合わせて走る速度が一気に上がります。

鋼鉄の車輪が地面を噛む音がゴーッと腹に響く!

太鼓の動きを傍で見ている私ですが、ゾクゾクする瞬間がここにある。

「とてもこのスピードに付いて走るのは無理や!」

転倒して巻き込まれでもしたら、ただでは済まない。

これが現役引退の最大理由でした。

Pa120009_2 大鳥居の馬場先から国道まで担いだままで上がり、また、担いだまま下ります、一度も落とすことなく、左右に振れることもなく、圧し掛かる重量に耐えて何とも見事な練りをやり遂げました。

「今日の若い衆は、なかなか、ようやるで!」

Pa120015 それは突然の出来事だった、大鳥居を駆け抜け、快走していた東垂水の太鼓が急停止した。何か不測の事態が起こったなと感じた。いつもに増して豪快にフルスピードで疾走していた東垂水の太鼓。

「えらい飛ばしてるぞ、カーブで内輪が浮いてるわ、危ないなァ」

嫌な予感が的中した。何と、祭りの続行が不可能となってしまうアクシデントが発生したのです。

無念の表情を浮かべ、自らの太鼓蔵へと引き上げて行く東垂水。彼等の受けた衝撃の大きさは計り知れない。また、その心情は察して余りある。他人事ではない、明日は我が身なのだから。垂水の祭りは楽しさと危険が紙一重です。だから一年掛けて、慎重に準備してきたのに・・・

彼等の気持を思うと辛くて、意気消沈、気が滅入ってしまいそうだ。

Pa120018 地元の方々も楽しみにされていた待ちに待った秋祭り、ここで終わらす訳にはいかない。西垂水だけになっても立派に祭りをやり遂げよう、萎えかけた気持を再び振るい立たせる。

Pa110027 「東垂水の分まで頑張って、綺麗に宮入してくれよ!」

再び目付きが変わり、気合いが入った。

「差ーしましょ、そら!」

Pa120020_3 「お見事!バッチリと決めてくれたやんか」

ギャラリーの拍手で、やっと気分も高揚してきたね。

Pa120022 国道2号線を交通規制しています。

「ドライバーさん、毎年この時期は御免なさい」

次は大勢のギャラリーの待つレバンテ広場に移動します。

ユックリと進む時の掛け声は、

実盛、ご上洛、稲の虫ゃ、おー供せい、さァ、エーライやっちゃ

斎藤実盛が稲の切り株に脚を取られたことで首を打たれ、その恨みで稲の害虫(うんか)になった故事から由来した虫送りの掛け声です。

漁師町の祭りで稲作に関する掛け声が有るって面白いね。農業も盛んだった西垂水らしい名残があるのです。

Pa120028 毎年、ここで東西の太鼓が練り合わされるのですが、今年は前述の事情で西垂水だけなのです。

東垂水は居ないけれど、精一杯の練りをお見せしましょう。

「西垂水の男気を見せたれよ!」

Pa120030 練りは指揮者の掛け声パターンと拍子木をよく聞き、前棒後棒が息を合わせて一気に担ぎ上げます。全員の呼吸が合わないと、とても持ち上がる重量ではありません。

Pa120029 それでも、この盛り上がりです。Oさん率いるところの応援団が紺色の旗を打ち振り気勢が上がり、大勢の地元の方々にお祭りを楽しんで頂いてもらえたようです。

Pa110057 気が付けば、今年も飛び込んで担き棒に喰らい付いていました。

「見るだけにするんやで!」

女房に言われていたのにね。

Pa120037 今年の祭りも終わりが近づいた、国道2号線を太鼓蔵へと戻って行く。

それにしても今年は記憶に残る祭りになったな。

Pa120043 直会(なおらい)では会長から祭りの総括と慰労の言葉があり、役員、総代方にお礼が述べられ、酒宴は盛り上がっていった。

久し振りに会う身内や知人達、酒や話に酔ってしまいました。

「ホンマにうちの村はエエなァ」

俺も間もなく古老の仲間入りですね。

「さァ、祭りも終わったし、また、山登りに精を出しますか!」

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コメント

はじめまして。詳しく垂水の布団太鼓のことを説明されていて、すごく勉強になりました。
私は広島在住ですが、
彼が布団太鼓を担ぐと
いうので見に行きました。
とっても皆さんカッコ良かったですが、
威勢の良いお祭りには十分注意しても
事故は起きてしまうのですね…
来年も見に行きたいので、
益々盛り上がり、宮入り出来ない塩屋の太鼓も
宮入りできるようになって欲しいです。

また来年楽しみです。

アカさん、ありがとうございます、少しは布団太鼓をご理解いただけたでしょうか?
そうですか、彼氏が祭りに参加されているので、声援を送ったんですね。

昔から言ってるんですよ、新婚さんや彼女が見ていると男は気合いが入り過ぎて
いい所を見せようと無理をする、それが怪我になるとね。でも、そこがお祭りの良さかなァ。

営々と受け継がれてきた祭りを後世に伝えていくのも我々の責務です。
来年もぜひ、お越し下さいね、彼氏に宜しく!

初めまして。私は垂水在住の物です。垂水の布団太鼓はすばらしい伝統ですよね!私も毎年見せて頂いています。
ところで、垂水ではどうして普通の山車などではなく「フトン」太鼓なのでしょうか??
以前から疑問に思っていたのですが、教えて頂ければ嬉しいです!

あやぼんさん,今晩は!
私も詳しい事は知りませんが、物心ついた頃から西垂水は布団太鼓でしたね、東垂水は昭和の後半?まで地車(だんじり)で前後にチキチン、チキチンと引いたり押したりで今とは全く違っていました、地車(だんじり)は担げませんから東西の練り合わせなんか有りませんでしたね、担いでの宮入も出来ないし面白くなかったのでしょうね、云ってみれば西垂水に合わせて造った新作太鼓です、でも新しいけど良く出来た逸品ですよ、トレードされた昔の東垂水の地車(だんじり)は今も現役で東灘区を走っています、貫禄があって大きく立派ですよ。

大阪南部や淡路島が発祥のようで、三木や小野にも布団太鼓が多くありますから垂水が祭り文化の交差点であるとすれば、布団太鼓が垂水にあるのは納得できますね、でも他地区は機能面で違いがあり豪快に疾走したりしないようです、単に移動するために台車に乗って大人しく動いています、装飾も垂水の太鼓は豪華絢爛ですね、機会があれば見比べて下さい、きっと成程とご納得されると思いますよ。

舞子の山根さん

ありがとうございます!
垂水が祭り文化の交差点であるとすれば・・・という話は面白いですね!なんとなくわかる気がします。
また来年度も垂水の布団太鼓の伝統を見させていただきます!
詳しくは理解できていない部分もありますが、興味があったのでいろいろと調べていました。
地域での差も面白そうですね。是非今度はそんな点に着目してみたいと思います。

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