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楽しかったぜぇ!剣岳合宿(源次郎尾根、八ツ峰Ⅵ)其の2.

Scan_2今日の源次郎尾根は1ピッチ先に4名パーティーが見えているだけ、懸垂下降の停滞を心配しましたが、先行パーティーは下降を終えて最後の本峰への登りに入っていました。

「ここで数パーティーがバッティングしたら身動き取れんぞ!」

その点では、我々はラッキーでした。

Dscn7277 今日は、ここのために8.5mm x 40mを2本用意しているのです。

アンカーにシュリンゲを通し、念の為、ハイ松の根っこからバックアップを取ってザイルをセットします。

「ヘビー級の俺が先に降りてザイルは捌いておきます」

「OKや、ピンが飛んだら言うから安心してな」

「ムムッ、お主、何と恐ろしい事を!」

30mほどの高差の懸垂下降ですが、下部に支点があり、シングルザイルでも下降できそう、でも多人数パーティーでは中継点が狭いと感じますね。

傾斜も距離も、お手頃で、これぞ懸垂下降!と云った感じの2峰でした。

Dscn7283 僅かな岩陰に入って日差しを避けております。

Dscn7288_2 空は飽く迄も青く澄み渡り、雲一つ無い快晴、お天気に文句を付ける気はありませんが、

「暑すぎるわい!雲よ来い、風よ吹け!」

Dscn7290 剣岳山頂まではコルから1時間30分くらいの距離です。

トレースはそれ程、明確ではありませんが、ジックリと見ていれば、それとなく判別できます。

P8080149 ガレの間に挟まった錆びた空缶が目に付いてくると、

「オオッ、やっと山頂に到着やな!」

P8082126 剣岳(2999m)の山頂祠で記念撮影、体力勝負の源次郎尾根を征しました。

もうヘトヘトです、1時を回っており、腹も減ったのでコーヒーを沸かし行動食を摂ってノンビリとしておりました。

Dscn7292 剣沢のテン場が遥か下に見えています、これから長い急な別山尾根の下りが始まります。

Dscn7298 「凄いなぁ、この雲海、こんな景色を見るのは久し振りや」

遠くに白山が浮かんでいます。

Dscn7299神々しいまでの雲海の広がり、開山時の行者様もこんな光景を目の当たりにし、思わず経文を唱えたことでしょう。

P8080161 一般ルートの下降とは云えども厳しい個所もあります、疲れた体ですから、特に慎重を期します。

事故は下山時に多く発生するのです。

「鎖にセルフを取って行こうや、安全第一やで」

Dscn7300 それにしても別山尾根のルート整備は凄い、梯子が一ヶ所、鎖場が11ヶ所も有りました、設置管理は大変でしょうね。

右の肩に見える道標は早月尾根との合流点です。

出発から12時間強の行動でした、痛む足を引き摺るようにテントに帰り着き、倒れ込んでしまいました。

「もう、誰が何を言おうが、一歩も歩かんぞ!」

        (八ツ峰Ⅵの登攀記録)

P8082113_2 源次郎尾根2峰から見た八ツ峰です。

6峰Aフェースの矢印辺りに動く姿が確認出来ました、それがトッチャンとS代表だったようですね。

Dsc02282_2

06:30 長次郎谷出合

源次郎尾根班と別れて、さらに剣沢を下り、長次郎谷出合へ、まだ日陰なので雪も硬い雪渓を登り始める。

緩傾斜ではあるが単調な登りは辛い、左に源次郎尾根、右に八ツ峰の景観は中々のものです。

Dsc02284_2

08:30 Ⅴ.Ⅵの雪渓下

傾斜の増した長次郎谷雪渓をつめ、熊の岩を望むガレ上の平坦な岩でアイゼンを脱ぎ、ザックをデポする。

周辺を偵察してみると、目指したCフェース上部には8名のパーティーが、取り付きの雪渓上には12名、人気ルートとは聞いていたが平日なのにこの盛況です。

Dフェースはトッチャンもクライミングシューズでないと少し不安だと、Bフェースは暗くて印象が良くない、Aフェースはと見ると3名が取り付いているものの上部に抜けそうだ。

Aフェースを登攀する事に決定する、熊の岩上にもテントが5張ある、皆さんは早くから来ているのだ。

(登攀後、聞いたらCフェースの8名はW大学山岳部の新人訓練パーティー、雪渓に待機の12名は真砂から登ってきたガイド付きパーティーだった)

Dsc02304_2

09:15 Aフェース取り付き 登攀開始

雪渓は切れていないので容易に取り付くことが出来た、取り付きでAフェースを懸垂下降して来たパーティーに出会ったので様子を聞くと、頭から25mを1Pと50mを1Pで下降できるとのことであった。

我々も懸垂下降することにして、荷を軽くするため不要の装備は基部にデポした。

(1P)

リードはトッチャン、尾根末端から凹角を登り、小ハングを越えるが新品のビブラム底では思い切ってスタンスに立てないようだ、手で靴底を持ち上げるなどの苦労ををしてやっと抜けた、フォローの私はクライミングシューズのフリクションを効かせて快適に登って行く。

さらに凹角に入り、左のリッジを登り、小テラスで1P目を切る。

(2P)

かなり立っているカンテを登る、ホールドもしっかりしているので高度感を味わいながら気持ち良く登れる、ここら辺りが核心部か、途中より右のクラックを抜けてやや広いテラスに。

(3P)

リードは私がします、

「せっかく、剣まで来たんやからリードさせてーな!」

少し傾斜の落ちたフェースとリッジを登ります、ハイ松混じりを抜けて、細かいスタンスを拾うカンテを越えて登攀終了です。

11:30 Aフェース頭で、ガッチリと握手して快適だった今日の登攀を喜び合った。

隣の源次郎尾根に4名の姿が確認出来た。

「クソ暑いのに、何を好き好んであんな尾根を登るねんな!」

コールも盛んに送ってくる。

「うるさいのう! こっちは登攀中で忙しいんじゃ!」

隣のCフェースからは「登れませ~ん、下ろしてーッ」と女性の声が聞こえる。

後日談ですが、これはテレビの「行ってQ」の収録に来ていた、眉毛を太く書いたイモトとか云うお姐ちゃんでした、この連中がCフェースを独占していたんですね。

トッチャンが素早く、「登れん者を連れて来るな!」と厳しい突っ込みを入れていました。

Dsc02307_2 下降はハイ松の根に何本ものスリングが掛かっている支点を使って最初の25mを下る。

2P目は支点にスリングを追加して50mを下降。

中大ルートの下降は傾斜もきつく、使用ザイルが8.5mmなので滑りが良すぎて緊張させられる。

取り付きの少し上で50mザイルは一杯になった。

14:00 昼食を摂り、アイゼンを付けてデポ地を出発する。

15:00 長次郎谷出合、ここから剣沢雪渓を登り返す。

途中、水を補給し、休憩を繰り返し、ヨレヨレになって歩く、追い付いて来たW大山岳部リーダーとしばらく立ち話するが、疲れたと言うものの、「お先!」と抜いて行く彼らの早く逞しいこと!

トッチャンと、

「若い奴には勝てんな!そやけどクライミングなら、俺らの方が上手いで!」

と負け惜しみも忘れません。

18:00 剣沢テント場帰着、用意してくれた紅茶が美味い!

Dscn7311 明けて8月9日(木)です、予備日を残し計画は無事に消化した、テント場を清掃していた富山大WV部のお姉ちゃんに礼を言い、剣沢を後にした。

別山乗越まで登り返して、雷鳥坂を見ると続々と登山者の行列です。

「わぁー、これはアカン!すれ違いが大変や」

下山コースを新室堂乗越へと変更しました。

Dscn7314 このコースは高山植物が咲き乱れ、一面のお花畑です、雷鳥坂に比べ登山者も少なくノンビリと休憩を繰り返しながら下って行きます。

Dscn7315 「ザコちゃん、この花は何や?」

質問を繰り返しています、何度も聞くのですが、どうも花の名前だけは覚え切れませんね。

Dscn7316 雷鳥沢キャンプ場に下ってきました、ここは今年の5月にスキー合宿しています。

「今日中に神戸へ帰るか?」

「明日は予備日やし、町に下りても暑いだけ、ここで避暑ってのはどうですか?」

「賛成や、別に早よ帰っても嫁ハンは歓迎してくれんしなぁ」

そして、大量?のビールが登場です、飲める奴はグイグイと、飲めん奴までもグイと、暫くはワイワイガヤガヤと飲んで食ってが続き、結果はご覧のような魚河岸のマグロです。

反省すべき事も多かった今回の剣岳合宿でしたが、気心の知れた仲間達と楽しく過した4日間だった。

我々の年齢になると、一つ一つの山行を重ねる度、つくづくと思う事がある。

「有り難う、君達の優しさに感謝してます、こんな我儘な私に付き合ってくれて!」

とね、確かに自分自身の努力も大いにあるだろう、しかし頑丈な体をくれた両親、支えてくれる家族、そして仲間達を忘れていません。

今回でも、肩を痛めている文ちゃん、足を痛めた私をフォローしてくれる、トラブッても忘れ物しても、誰も責めない、何も言わず全員でバックアップに動く、それがクラブ雲峰で苦楽を共にしてきた仲間意識なんだろうね。

クラブ雲峰のメンバーは確かに減った、でも仲間で支え合って、もっと理解し合って、仲良く、より長く、少しでも高みを目指して登山を楽しもうや!

「次の計画に向かい、健康に留意し、頑張ってトレーニングしよう!」

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コメント

く~。うらやましい!。どなたか、9月にもう一度剣に行きませんか~?。お盆は神戸の街も人が少なかったですよ!快適に過ごせました!(負け惜しみ)happy02

カッコいい〜
素敵過ぎます☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

昨夜遅くに剣岳から戻りました。
今年は昨年のような好天気に恵まれず
雷やヒョウや大雨の中での地獄の登攀でした。
オッチャン達はもうヘトヘトですわ。

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